上司と話す時、お客様と話す時、その他取引先の方と話す時、正しい言葉遣いができない事でパフォーマンスに良くない影響を及ぼすことがある。
丁寧な言葉を使うために、言葉を7つに分けて考える。
尊敬語の主語は敬意を払う対象
敬意を払う対象の動詞を変化させる。
敬意を払う対象・・・お客様、上司、取引先など
ポイント1:尊敬語でしか使われない、謙譲語では使われる事のない動詞を覚える
例:社長が〇〇
■ 言う→おっしゃる
■ 聞く→お聞きになる
■ 見る→ご覧になる
■ 読む→お読みになる
■ 尋ねる→お尋ねになる
■ 来る→来られる
■ 行く→行かれる
■ 帰る→お帰りになる
■ 食べる→召し上がる
■ 飲む→召し上がる
■ いる→いらっしゃる
など
ポイント2:動詞に以下を用いて丁寧にする
例:社長が〇〇する。
■ れる/られる/
社長が話される。
(敬意は軽めの表現)
■ お(ご) になる
■ お(ご) なさる
社長がお書きになる。
社長がご出勤なさる。
■ お(ご) くださる
社長がご指導くださる。
ポイント3:御、貴、尊、芳、令、高がつく単語は尊敬語
例としては、御社・貴社などが尊敬語。
使い分けとして、主に話し言葉では御社、書き言葉では貴社が多い。
社外の方に社内の者の行動を伝える時は尊敬語も謙譲語も、敬語を使わないように注意する。
謙譲語は、表現をへりくだらせ、自分を低めて相対的に相手を高くして敬う。
動作の主語が自分で、変化させるのは自分の行動
ポイント1:謙譲語でしか使われない、尊敬語では使われる事のない動詞を覚える
例:自分が(誰誰に対して)〇〇する。
■ 言う→申し上げる
■ 聞く→お伺いする
■ 見る→拝見する
■ 読む→拝読する
■ する→いたす
■ 行く→お伺いする
■ 来る→参る
■ 知っている→存じ上げる
■ 食べる→いただく
■ 飲む→いただく
■ 帰る→失礼する
■ 借りる→お借りする
など
ポイント2:動詞に以下を用いて丁寧にする
例:自分が(誰誰に対して)〇〇する。
(誰誰に対して)の自分の動詞であって、自分の動作だけど、お(ご)を付けることは間違いではない。
■ お(ご) する
お客様に商品についてご説明する
(敬意は軽めの表現)
■ お(ご) いたす
お客様に状況のご説明致しました。
■ お(ご) いただく
注意))誰誰に自分がしてもらう。してもらうので主語は自分。
お客様にお越し頂く。
その他
■ お(ご) 申し上げる
■ お(ご) にあずかる
■ お(ご) 願う
などの表現もある。
ポイント3:愚、小、粗、拝、弊、拙、卑がつく単語は謙譲語
例としては
弊社、拝見、拝読、粗品などが謙譲語。
社外の方に社内の者の行動を伝える時は尊敬語も謙譲語も、敬語を使わないように注意する。
単語に【お】や【ご】を付けてみる
例えば:
■ 品→お品
■ 茶→お茶
■ 酒→お酒
■ 菓子→お菓子
■ 手紙→お手紙
■ 返事→お返事
■ 時間→お時間
■ 知らせ→お知らせ
■ 散歩→お散歩
■ 車→お車
■ 電話→お電話
■ 買い物→お買い物
■ 皿→お皿
■ 昼ごはん→お昼ごはん
■ 客→お客
■ トイレ→おトイレ
■ 顔→お顔
■ 名前→お名前
■ 住まい→お住まい
■ 連絡→ご連絡
■ 説明→ご説明
■ 相談→ご相談
■ 案内→ご案内
■ 家族→ご家族
■ 出勤→ご出勤
■ 出席→ご出席
■ 帰宅→ご帰宅
■ 通知→ご通知
■ 気持ち→お気持ち
■ 考え→お考え
■ 伝え→お伝え
■ 願い→お願い
■ 招き→お招き
など
名詞に【お】【ご】を付けると丁寧になる。
必ず付ける必要はないが、必要に応じて使用すると良い。
ちなみに、自分が主体の動作であっても敬う相手に対しての動作と言うことで、【お】【ご】が付いていて大丈夫。
例))(私が)(お客様に)明日お届けいたします。
口癖を治す事と、乱暴な言い方を前後の敬語を活かす丁寧な言葉に整える。
■ 今日(きょう)→ほんじつ
■ 明日(あす)→明日(みょうにち)
■ 去年→昨年
■ この間→先日・先ごろ
■ ちょっと→少々
■ さっき→さきほど
■ そっち→そちら
■ どっち→どちら
■ あとで→のちほど
■ すぐに→ただちに、早急に
■ この次→改めて
■ そういうわけで→つきましては
■ 前から→かねてから
■ どっちにしても→いずれにしても
■ どうですか?→いかがですか?
■ どれくらい→いかほど
■ すごく→たいへん・非常に・とても
■ もっぱら→ひとえに
■ 了解です→かしこまりました
■ すみません→申し訳ございません
■ うまい→おいしい
■ 前に→以前
■ 後で(あとで)→後ほど(のちほど)
■ じゃあ→それでは
■ だから→ですから
■ 多分→おそらく
■ 〇〇的には→〇〇としては
■ できません→致しかねます
■ わかりません→わかりかねます
■ いません→席を外しております
■ ちょっと待っててください→少々お待ちいただけますか?
■ わかりましたか?→おわかりいただけましたでしょうか?
■ 確かめてください→お確かめいただけますか?
■ 〇〇とか→〇〇(とかを付けて曖昧にしない)
■ 〇〇の方→〇〇(の方が余計)
■ 〇〇と言う形ですね→形が×
■ よろしかったでしょうか?→過去形で表現が×
■ 〇〇になります→〇〇でございます
■ そうですか→左様でございますか
■ なるほどですね→左様でございますか
■ やっぱ→
■ やっぱり→
■ 〇〇って言う→
■ けど→
■ なっちゃったり→
■ マジっすか→
■ガチで?→
など
文章の終わりには、【です】【ます】を付ける。
行きます。
こちらです。
ですか?
ますか?
これは意識せずとも普段から使えている言葉だと思うが。
繋ぎ言葉(クッション言葉)は印象を柔らかくできる効果がある。また気持ちがこもった印象に変わる。
そして繋ぎ言葉に続く言葉(依頼)を疑問形にすると、さらに文章を柔らかい印象に変える。
■ ご面倒おかけいたしますが、
■ お手数おかけいたしますが、
■ ご都合がよろしければ、
■ もしお時間がありましたら、
■ お忙しいところ申し訳ございませんが、
■ もしよろしければ、
■ こちらの都合でまことに申し訳ございませんが、
■ 再度のお尋ねで誠に恐れ入りますが、
■ 大変心苦しいのですが、
■ 心ばかりのものですが、
■ ご無理のない範囲で、
■ お言葉に甘え申し訳ございませんが、
■ 度々申し訳ございませんが、
■ お差支えなければ、
■ もしご興味がおありでしたら、
■ たいへん申し訳にくいのですが、
■ つかぬことを伺いますが、
■ ほんの気持ちばかりですが、
■ 恐れ入りますが、
■ 申し訳ございませんが、
■ お差支えなければ、
■ ご足労おかけいたしますが、
■ 勝手を申しまして恐縮ですが、
など
上司、お客様との会話の締めに使えるフレーズ例
締めの言葉
■ ご面倒おかけいたしました。
■ お手数おかけいたしました。
■ ご足労頂きありがとうございました。
■ お忙しいところ申し訳ございませんでした。
■ お時間割いていただきありがとうございました。
■ 本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
■ この度はお声かけ頂きありがとうございました。
など
■ 貴社・・・相手の会社の呼び方、話し言葉、書き言葉で用いられる
■ 御社・・・相手の会社の呼び方、主に話し言葉で使用される
■ 弊社・・・自身の会社の事。「私ども」とも表現することができる
■ 御中・・・「おんちゅう」手紙にて担当者名までわからない場合に使用、担当者名まで分かれば御中ではなく「様」と書く
など
全て正しい言葉じゃなくても、気持ちで相手に誠意を伝える事はできる。でも、不適切な言葉使いに嫌悪感を感じる人もいる。
より良い印象やより良い評価を得るために、正しい表現を学んでおく事は重要。
また、状況によっては敬語できっちり正しく話をする事が堅苦しく、場に適していないように思える場面がある。
そのような時は、TPOにあわせて崩して話して大丈夫。
言葉遣いを知っているがあえて使わない事と、知らない事は異なる。知っている事が重要。